

友人宅にあのTESLA POWER WALLが設置されたらしい。と聞きつけ、突撃取材に行ってきました!
展示会やテスラジャパンさんの話で、すごそうだなー、見てみたいなーとはおもっていたのですが、実際に動いているところをまだ見たことがなかったのです。TESLAならではのデザイン、機能性やUIの美しさもぜひご堪能くださいませ。
今回お伺いしたのは、千葉県某所の閑静な住宅街。会社員時代にお世話になったYさんの邸宅が鎮座しております。
車好きが高じてリビングから車が見える家を作ってしまったYさん。そのステキなリビングで愛車と二匹のかわいい猫さんを眺めつつ、TESLA POWER WALLと太陽光発電導入のお話をたっぷりお伺いいたしました。
これがTESLA Powerwall!
まずは、お待ちかねのTESLA Powewallです!じゃーん。


「え、カタログでみたのと違う・・・」と思った方、、、すいませーん!結構せまーい塀と外壁の間に設置しているため、かなり角度が横からです。(カメラマンの腕については・・・コメントを避けたい)
高さは胸くらい、横から見るとすごく薄いのがよくわかります。
Yさん宅では、今年の夏にこのTESLA Powerwall(家庭用蓄電池)太陽光パネルと架台、パワーコンディショナー(パワコン)、分電盤・配線工事など一式導入し、なんと!
- 9月1カ月間で839kWhを自宅で発電
- うち224kWhを東京電力パワーグリッドに売電予定(5000-6000円相当らしい、現在買電手続き中)
を実現されました。すでに電気使用量のうち86%の自給自足を達成し、ご本人も大満足です!

今回は、新築じゃなく後付けでできる!太陽光発電導入の成功事例として、検討~導入~運用中に大事な ポイント4つ”を教えていただきました。
検討のきっかけは、電気代・・・
4年前新築一戸建ての家を建てたYさん。24時間の全館空調も備えた大邸宅のため、大変だったのは電気代でした・・・
2月が毎年一番電力使用量が高く、なんと1,595kWh! 家一軒の電気代が5万円を超えるっていったい。。。
今年2月からの電力各社の値上げもあいまって、本格的に太陽光発電と蓄電池の検討を開始されました。
ポイント1 導入の目的、確認したいことをはっきりさせる
Yさんが解決したかったのは、「高い電気代。しかも今後も上がり続ける可能性がある」という課題でした。
また、「万が一のときの災害対策も行っておきたい」という希望もあり、 太陽光パネル と蓄電池 両方を同時導入することを決めました。
まついさん、太陽光パネルだけを導入しても、万が一のとき発電した電気を使えないんですよ。

↑ Yさん(のつもり)
え、、、そうなの!?
太陽光パネルで発電する電気-直流電気
おうちで使っている電気-交流電気
太陽光発電した直流電気をおうちで使える交流電気に変えるパワコンが必須となりますが、災害時もパワコンへの給電ができなければ作った電気を使えません。
た、たしかにー!
(11/4 追記)
この点につきまして、お世話になっております太陽光発電所ネットワーク(PV-net) Kさんより「たいていのパワコンには自立運転モードもあるよ!」との情報をいただきました。
Kさんどうもありがとうございます m(_ _)m
自立運転
パワコンに交流電気の供給がなくとも、太陽光パネルで発電した直流電気でパワコンを動かすことができる。使えるコンセントは非常用コンセントのみで、通常通り自宅の全てのコンセントや照明などへの供給は出来ない状態。
全負荷運転
パワコンに蓄電池から電力を供給し続けることで、通常時と同様にパワコンを動かすことができる。通常通り家庭用コンセントはすべて使える。
Yさん宅は、
・24時間運転の全館空調システムがある ※Powerwallは200V供給も問題なし
・停電時もほぼ日常と同じく電気を使えるようにしたい
との希望があり、全負荷モードが可能な設計にしたとのことでした。なるほどー。
最初に導入の目的をはっきりさせておかないと、いろんな検討漏れがあとから見つかる原因になりますね。なるほどなるほど。
Yさんは、ネットの製品紹介ページや、YouTubeなどの解説で情報収集しつつ、
- 「何を目的に導入したいのか」
- 「製品選定で大事にしたい点は何か?」
- 「メーカーや設置業者に確認したい点は何か?」
を検討のかなり早い段階でリストアップしておいたとのことです。このリストのおかげで、後々の製品選定や見積もり依頼、業者さんへの確認のときも手戻りなく、効率的に進めることができたとのこと。
(一緒の会社で仕事してたので私もよく存じ上げてますが、この方ソリューションや機器選定のプロです。普通、かなり仕様検討とか製品選定とか好きじゃないとなかなかここまでできないと思います。「こんなに検討できんわ!」という方は~参考情報~ 04 おうちのみんなに太陽光、や 05 エネカリも参考にしてくださいね。)
ポイント2 信頼できる認定施工会社を見つける!
検討中一番大変だったのは、何よりもTESLA Powerwallの認定施工業者を見つけること。まだ、近年のTESLA人気と認定施工業者の数が少ないこととも相まって、最初に問い合わせた首都圏近郊の数社は、うんともすんとも返事がこない状況がつづきました。。。
Yさんがラッキーだったことの1つめは、自宅の近くで認定をとったばかりの良い施工会社をみつけられたことでした。
問い合わせから間もなく社長自ら返信をくれて、まとめていた質問リストにもすごく丁寧に回答いただけたました。この人は技術もわかっていて信頼できるなと思いました。

屋根に太陽光パネルを置くということで、一番心配だった点は屋根に穴やキズがついてしまうこと。雨漏りや屋根施工の保証がされなくなってしまう点が気がかりでした。そこで、屋根に穴をあけずに、ガルバリウム鋼板でできている屋根材のつなぎ目を利用して金具で固定する『キャッチ工法』に拘って製品選定と施工方法を詰めていきました。
↓ キャッチ工法で屋根材に金具を取り付けたところ。この上に太陽光パネルを取り付ける。

私も、「施工業者がブラックすぎて、検討するのもイヤ」「なんかものすごい高い見積もりだされて、嫌になった」とかで太陽光パネル導入あきらめた方の話も多々聞いてきました。信頼できる施工業者との出会いだけでも、十分にラッキーだったと思うのですが、さらに、、、家の設計をしてくれた設計事務所、設計担当者の対応が神!
Yさん宅はまだ新築して4年目、まだまだ保証期間が残っているおうちです。設計時から屋根にパネルをつけることで、屋根の重量も変わり耐震設計などのシュミレーション結果も変わってきてしまうため、念のため家を建てたときにお世話になった設計事務所に問い合わせをしました。
- 家を設計してくれた設計事務所が、太陽光パネルと架台一式を加味した構造計算を無料で再計算してくれた
- 認定施工業者との打ち合わせにも同席して、気になる点を設計観点から確認してくれた
- キャッチ工法であれば屋根の構造に影響がない点を加味して、屋根の保証を継続してくれた
あまりに申し訳ないので、工事一式を丸ごと元受けとしてお任せすることも提案したそうなのですが、結局無料で対応いただいたとのこと・・・。素晴らしい、、、素晴らしすぎる。こんなことは通常ないかと思いますが、こんな奇跡も起こるらしい。
施工業者、設計会社とのおつきあいで重要なのは「自分が信頼できる業者さんを頑張って見つける」「見つけたら(多少価格が張っても)末永くお付き合いさせていただく」ということなのかもしれないですね。
ポイント3 相見積以外にも色々方法はあるぞ♪
でも一社からの見積もりだけだと、不当に高い金額になっていないか、とか抜け漏れがないかとか・・・色々心配ですよね・・。
相見積はとらなかった、ということですか?
実は、相見積もり的なもので確認はできたんです。

Yさんが利用したのは、千葉県でやっているみんなで発電プログラムみたいな企画。県民から導入検討者を募りボリュームディスカウントで安価に導入するというもの。
(たぶんこれです)おうちのみんなに太陽光

こちらのプログラムではTESLAの取り扱いがなかったため不採用にはなったものの、項目ごとの詳細の見積価格が提示されていたため、パネルや施工費用などの参考にはできたそう。
同じような自治体のプログラムがあれば、複数施工業者に見積もり依頼しなくてもよいので効率的な方法だと思います。ぜひぜひお試しください。
ポイント4 投資回収の目途をたてる
今回Yさんが導入した機器一式の構成と費用はざっくりこんなかんじ。
機器一式 約200万円
- TESLA Powerwall x 1台
13.5kWh 蓄電池+Backup Gatewayモジュール - 長州産業 太陽光パネル CS-340B81 最大出力 9.27kW分
発電効率 20%, 1枚当たりの最大出力 340W - 長州産業 屋外設置型パワーコン SSITL55B4CS
定格出力が5.5kw
施工費 約120万円
※屋根がフラットなため足場を組む必要があり、通常よりもやや高め
見積もり時に、2年間の電気使用量をもとに、投資回収期間のシュミレーションもしてもらっていて、
太陽光パネルのみで 12~13年
太陽光パネル + 蓄電池 の場合 8年
での投資回収を見込んでいるそうです。
無駄遣いじゃないし、いいんじゃない?

↑ Yさんの奥様(のつもり)
しっかり投資回収の目途もついていたため、ご家族のサポートも得られたようです♪
「スリム、高性能、保証、かっこええ、トレンド、日本メーカにはない機能が満載のTESLA Powerwallがいい。」
冒頭の写真でご紹介したTESLAの家庭用蓄電池 Powerwall、このあたりで、Yさんの心をがっちりつかんだ魅力を一挙紹介します。
13.5kWhの大容量、でもスリムなデザイン
同じ容量の蓄電池で、国産メーカーのものも比較検討したそうですが、「大きさ」がネックだったとのこと。置き場所が塀と外壁の間の60㎝ほどのスペースに限られるため、多くの製品が設置できない大きさでした。
TESLA Powerwallの場合は、製品を乗せるコンクリート土台や、転倒防止の金具まで一式含めてメーカーの製品付属品。美しい外観もさることながら、土台も含めてなんとかスペースに収まる大きさであったという点が決め手となったようです。


設置場所についても、Yさんから注意事項を共有いただきました
日本は住宅の構造上の問題で、壁掛けNGとなっている模様。設置架台もテスラから指定されているため、設置場所に応じて架台を作ることが出来ないので注意が必要です

美しいUI
スマホアプリでリアルタイムの発電、充電、電力系統、自家消費の状態が、スマホ一つでリアルタイムに確認できます。見れる美しいUIです。
(うちのキャンプ用バッテリーはログも残らなきゃ、液晶パネルと同じ情報しか見れない。。。えらい違いです)
TESLAの管理アプリ、お伺いした日の発電状況
(左)リアルタイム太陽光での発電状況や、自宅での消費電力、蓄電池への充電、系統電力への売電状況などが表示されていて、とてもわかりやすい!
(右)太陽光発電パネル側から見たときに、発電した電力がどう使われているかがわかります。
青色:自宅で消費している電力量
緑色:Powerwall(蓄電池)に充電した分
グレー:系統電力(Yさんの場合は東京電力パワーグリッド)への売電分


9月1か月での発電状況
(左) 太陽光パネルから見た、発電した電気の行先(色は先ほどと同様)
(右)おうち全体の消費電力からみた各電力供給の割合
黄色:太陽光発電から直接使った分
みどり:Powerwall(蓄電池)から使った分
グレー:足りない分を系統電力(東京電力パワーグリッド)から使った分


9月全体としては、太陽光発電と充電池からの電力で全体の86%を自給自足しています!残りの14%を系統電力で補いました。
東京電力パワーグリッド分への売電と買電の収支は、売電の方が224Wh多く、5000-6000円程度の現金収入を得られる見込みです。
(11/4追記)
UIにつきまして、PV-net Tさんから、「蓄電池の画面も見たかった!」との声をいただきましたので、↓ に掲載いたします。
青: Powerwall(蓄電池)から宅内消費用に放電した電気の量
黄色: 太陽光発電分を蓄電池に充電した量
グレー:系統電力から蓄電池に充電した量
Yさんからのコメント
・Powerwallの充電元はソーラー発電された電気のみで充電しています。東京電力からの給電は使ってません。なので、充電は全て黄色ですね。一部ちょっとグレー(東電からの給電)はご愛嬌ということでw。
・9月20日は台風14号が近づいていた時だった。Storm Watchが働いたタイミングかも!?

Yさん宅ではもともと、今回の投資全体318万円を8年ほどで投資回収できる見込み。買電状況や今後の電気代の状況によっては、投資回収が早まるかもしれないと見ています。
TESLA独自の機能
Storm Watch
台風が近づくと自動的にバッテリー充電を確保するように動く。かしこい!
災害時もスマホからコントロール
通常時は稼働状況、設定などはインターネット経由です。災害時はパワーゲートウェイがアクセスポイントとして動くことで、スマホとパワーゲートウェイを直接つないで通常時と同じように使うことができます。こないだのKD〇Iのネットワーク障害とか、インターネット環境につなげない事態が発生しても安心ですね。
(まついの勝手に推し)グループ管理機能、充放電最適化のアルゴリズム、停電防止
テスラジャパンさんの講演では、地域でPowerwallをグループ管理し需給の最適化を行う、充放電のタイミングを自動で最適化してくれる、停電を予知して放電を開始し停電を防止する機能、クラウドでのリモート監視機能なども発表されていました。クラウドにつながっていて設置後にも新しい機能にアップデート続けていくことができます。イイね!
煩雑な複数見積もりの取得は不要。どこから買ってもOne Price
TESLAのPowerwallについての購入の仕方についても教えていただきました。
①直接TESLAが買う方法と、②施工会社から買う方法 の2つがありますが、どちらの場合もユーザーへの提供価格は一緒だそうです。カンタン、わかりやすい♪
ちなみにYさんの導入された時点は2022年8月の値上げ前だったこともあり、TESLA Powerwallの価格は99万円(税抜き)でした。
(ちなみに、今はネットで見ると141万円という数字も・・・今後リチウム電池の需要は上がっていくので、値上がり前に確保するいう意味では賢い選択だったかも。)
太陽光パネル、コンバータは国産の長州産業製
蓄電池だけ推すのもどうかと思うので、少しだけだけ太陽光パネルやパワコンの推しもご紹介しておきます。

- キャッチ工法のための架台が用意されている (ゼッタイに屋根に穴をあけないというYさんの強い決意)
- 太陽光パネルの発電効率 20%
- パワコンの変換ロス率 6%
- 架台、パネル、コンバーターふくめて長期保証がつく(15年保証)、太陽光パネル単体だと25年の長期保証
- 他社のOEMに頼らず、純国産による自社開発パネル!
このあたりが決め手になり、広島発祥企業の長州産業製の太陽光パネル、パワコンを選択されました。
今から太陽光パネル、蓄電池の検討をされる方へのアドバイス
最後に今から太陽光パネルや蓄電池を検討したい方へのアドバイスをYさんにお聞きしました
FITの価格が下がっているということで、投資対象としては価値がないという意見もりますが、自家消費として考えれば十分に元はとれる投資です! 自家消費分の電力代を賄える、電気代が上がっているから投資回収も早い
昼間余った電力を売って、現金収入にできる
技術の進化とともに単価が下がってきて、昔よりもスペックの高いものを安く買える
なにより、環境にやさしい発電方法

Yさん、改めまして休日にバシバシ写真を撮らせていただき、また経験者でないとわからないお話をたくさん聞かせていただきましてどうもありがとうございました!!

Powerwall、予想以上に、ステキなり
by まつい えこ
本日も最後まで読んでいただきどうもありがとうございました! 太陽光発電挑戦される方の一助になれば幸いです。 Have a nice and eco Day!
~ ご参考情報 ~
YさんちのTESLA Powerwall+太陽光発電 導入までの道のり
- 2022年2月 検討開始
- 2022年3月 ステキな施工会社にであう。設計会社もふくめての詳細検討開始
- 2022年5月末 発注機器、施工方法決定。発注
- ~機器到着待ち~ パネルの納期が2か月、Powerwallが1か月の納期
- 2022年8月 設置工事、稼働開始
- 2022年9月 買電のため 東京電力パワーグリッド、資源エネルギー庁への届け出 (施工会社が手続きはやってくれた)
- 2022年10月 認定ー>近日、東京電力が発電所竣工調査に入り、売電開始日の決定と買取開始となる見込み。
TESLA Powerwall 製品情報
TESLA Mortors Japanのこちらのリンクからどうぞ!
2022年8月末のTESLA Mortors JapanさんのPowerwall、Megapackについての講演メモはこちらから
長州産業 製品紹介
太陽光発電関連商品のページはこちら。
購入リンク
おうちのみんなに太陽光
千葉県の太陽光発電、蓄電池の共同購入サイトです。
Yさんのようにメーカやスペックに拘る方には不向きですが、妥当な価格でサクッと導入したい人に向いていると思います。
令和4年度は8月末で申し込み閉め切っているようですが、再開示にメールで連絡もらえるみたいなので、気になる方は登録しておきましょう。(なぜかページの一番下に申し込みボタンがあります・・・)

東京電力グループ エネカリ
東京電力の子会社がやっている、初期費用0円で始められる太陽光発電のサービスです。
利用者:屋根など発電が可能な場所を提供する、発電した電力は自分で利用もしくは買取してもらえる、月額利用料を払う
エネカリ:設備一式を取り付け、期間中の故障対応やメンテナンスを請け負う
というしくみと理解しております。(すいません、、、わたしの自宅マンションの検討では電話一本で断られたため、詳細が不明なのです。。。)
Yさんとも話しましたが、あんまりメーカー選定や機器選定にこだわらず、とにかくお金をかけずに始めたい人向けだとおもいます。
ただ、通常の製品購入での場合と、価格的なメリットがあるのかどうかは確かめるために、同等スペックの見積もり依頼を施工会社に依頼してシュミレーションは事前にした方がよさそう。
ご意見、感想、新しいアイディアなど、なんでもコメントいただけると、ものすごくうれしいです。