トガッてる岩手、第2弾は 地球のしごと大学の生みの親、高浜大介 先生 の講義から。本拠地を置く岩手県 北三陸の普代村で、
#09 岩手県北三陸の地域循環共生圏構想
~地域に開かれた教育と電子地域通貨による持続可能な地域づくり~
についてお話いただきました。
地域活性化の取組み
高浜 大介先生は、奥様の生まれ故郷、岩手県 普代村に2018年から家族で移住。
株式会社アースカラー を立ち上げ
「わくわくする農山漁村を創る」
を目指していろんな地域活性化の活動をされています。
- 『地球のしごと大学』 教養学部
環境や自然について学びたい!というひとのための 、講座やフィールドワークの開催 - 専門学部
循環型農業や、自伐型林業、伝統工法建築、教育、エネルギー、水資源、地域商社、薬草などの各テーマで実践を通して人材を育成 - 移住や実践のサポート
岩手県、千葉県の拠点での実践や、移住したい人のためのサポート - 『つちのこ保育園』
移住者だけでなく、地域の人も使える保育サービスを提供 - 岩手 広域周遊ルート
地元の自治体と協力して、盛岡~二戸までぐるっと楽しめる、観光資源の整備
などなど!
北三陸エリアって、こんな感じ
北三陸エリアは、旧南部藩の所領だった、岩手県北部~青森の八戸あたりのエリア
山と海が近い(というかほとんどくっついている)地形で、自然の恵み豊かな土地です
縄文時代からアイヌの人が住んでいるエリアで、いまもアイヌ語の地名があちこちに残っています。


ご一家が住む普代村は、東日本大震災のときに津波に襲われながらも、海岸からすぐ近くに立てられていた水門のおかげで、大きな被害を受けずにすみました。
『奇跡の水門』と呼ばれているそうです。
そのおかげで、昔からのコミュニティーがそのまま今も残り、鵜鳥(うのとり)神社のお祭りもにぎやかに行われます
あう・・・逆光。。。すんません。
しかしながら、人口減少や環境の変化にともない、地域の課題も深刻になってきました
- レギュラーポジションが空いている
地域の産業や、公共サービスなどに必要な人手がなかなか確保できず、空きがでるところも出てきている。 - 子供を預けられる場所が遠い
車で20分走らないと、最寄りの保育園がなかった。 - 鮭にかわる新しい海の稼ぎ頭が必要
以前は毎年鮭が豊漁で、新巻鮭の一大産地だったが、近年漁獲量が激減した。鮭にかわる新しい海の産業が必要
まず取り組んだのは、安心して子育てができる環境づくり 『 つちのこ保育園 』
地域で働きながら子育てをする環境を整えるために必要だったのが、保育園。
高浜ご夫妻が目指したのは、
-地域の人も、新しく来た人も安心して子供を預けられるところ
-自然と一緒に子供が育つ場所
急ピッチで準備を進め、2021年4月に『つちの子保育園』を開設されました。

2023年4月には3年目を迎え、入所希望者や、保育士の方の就業希望もたくさん来ているとのことです。
私も講義の前に見学させていただきました!
- 森の中でたくさん遊べる環境
- トンネルもあって、抜けると保育園の畑に到着 (となりのトトロみたい)
- 園のバスで、みんなでお出かけ
などなど、都会の環境ではなかなか体験できないことが毎日楽しめる、すてきな保育園です。
次は、地域電子通貨 による地域の活性化!
次なる作戦は『 南部藩マネー(仮)』という地域電子通貨をつかった、地域活性化!と初めて聞いたときは、
「なぜここで電子通貨??」と思いました。
が、先生のお話を聞くうちにだんだん作戦が理解できてきました。(現在企画段階とのことなので、名称や内容とも仮の内容であることをご了承くださいませ。)
作戦1 地域の事業者を元気にする電子通貨
よくある電子マネー、自治体で推進しているxx区ポイント 、などの制度は、主に消費者がお買い物をするときに地域のお店で使える仕組みですよね。
南部藩マネー(仮)が想定している利用者は、地域の事業者です。
- SDGsを実現するような、製品・サービスを提供していらっしゃる事業者同士の取引を、南部藩マネー(仮)で活性化する!
を狙いにしています。
作戦2 あくまでも副貨、日本円の取引と一緒に使う
今の通貨(日本円)を置き換える、のではなく、取引の一部につかえる ”副貨” の位置づけ。
電子通貨の取引による地域産業の活性化やSDGsの推進をしながらも、きちんと事業者が売上を上げ、市場で評価されて事業を拡大できる、仕組みを目指します。
作戦3『 腐るお金 』を作る
せっかく電子通貨をつくっても、ため込まれるばかりで流通しなければ、実際の取引や地域振興に役立ちません。そのため、発行日や取引から一定の期間が経つと価値が減っていく仕組みも検討されているそう!紙の通貨だと、一回発行してしまうとなかなかその後の価値を変更するのは難しいですが、経過時間とともに価値が柔軟に変えられるというのは、電子通貨ならではの特性ですね!
こちらの地域通貨構想プロジェクト、現在 令和4年度の 環境省の地域循環共生圏づくりプラットフォーム事業 にも選出され、地域の事業者の方や自治体の方と連携しながら進めていくということです!
どんな形になっていくのか楽しみです!
~ ご参考情報 ~
株式会社 アースカラー
「わくわくする農山漁村を創ろう!」 をビジョンとして、地域の課題をビジネスで解決する取り組みをされています。
社名のアースカラーは、「ホワイトカラーでもなくブル―カラーでもない、これからの世界に求められる、地球や大地との共生を志す仕事人」という意味なんだそうです。
代表は今回ご講義いただきました、高浜先生です。
地球のしごと大学
自然との共生や地域共生を学び、実践するための人材育成の場です
2023年1月現在、専門学部 循環型農業学部関東校、究極の田んぼ学部、myおこめ部 の募集中です。活動期間は3月~11月。
まついも2022年6月から教養学部にお世話になっております。来年度の教養学部も、春先から募集がかかると思います(たぶん)。活動期間は6月~2月。
その他いろんなフォーラム、公開講座もあります。
気になる方は、各種SNSもありますので、フォローくださいー
Facebook: https://www.facebook.com/chikyunoshigoto/
Twitter: https://twitter.com/chikyunoshigoto
「腐るお金」
自由貨幣、中立貨幣、減価する貨幣 などとも呼ばれているようです。Wikipediaの解説はこちら!
子供向けのセミナーの解説文なんですが、こちらのこどもの学校 さんの解説もわかりやすくておススメです。
本日も最後まで読んでいただきどうもありがとうございました!
ご意見、感想、新しいアイディアなど、なんでもコメントいただけると、ものすごくうれしいです。Have a nice and eco Day!